From 広告のなかの反省
01広告のなかの反省
わたしがその機能を入れたのは三年前だった。正式名称は長くて覚えていない。みんな単に「広告化」と呼んでいた。 上司に怒鳴られた記憶を掘ろうとすると、頭のなかに爽やかな炭酸飲料のCMが流れる。恋人に振られた場面を思い出しかけると、白い砂浜で犬が駆ける保険会社の映像に切り替わる。
2026.03.21
Works
Entrance by Mood and Length
形式や読了目安で入口を絞りつつ、最初の一作だけは強く選べるようにしています。 一覧を均一に見せるより、読む順番を決めやすくするための設計です。
形式
読了目安
20作品 ・ 主なモチーフ: SF / 恋愛 / 記憶 / 皮肉

2026.03.21
02短編
つらい記憶を広告映像に変換する脳内補助機能が普及した社会で、男は快適さと引き換えに、自分が忘れてはいけないものまで失っていく。

2026.03.21
03短編
夏の終わりの都市で、消すはずだったメッセージを開いた夜、亡くなった恋人から一度きりの返信が届く。

2026.03.21
04短編
他人の顔に自分への好感度が表示されるコンタクトレンズが普及した社会で、男は数字だけを頼りに人間関係を選び始める。

2026.03.21
05短編
その日の運を前借りできるアプリを軽い気持ちで使い始めた男は、返済の本当の意味をあとになって知る。

2026.03.21
06短編
失言を穏当な言い回しに変える翻訳機が普及した社会で、男は人間関係が円滑になったと思っていた。

2026.03.21
07短編
毎朝、夢を役所へ提出することが義務づけられた社会で、男は提出済みの記録に小さな異常を見つける。

2026.03.15
08長編
九月の木曜日を何度も繰り返すことになった高校二年の水野景太と、同じくループを認識するクラスメイトの雨宮ひより。軽快な青春コメディの中で、少しずつごまかせなくなる本音と恋愛感情を描く長編ラブコメ。

2026.03.15
09長編
1999年、小学生だった仲間たちが遊びで書いた「黙示録ノート」。2026年、その予言と同じ手法で地方都市を揺るがすムーブメントが始まる。誰が子どもの空想を現実に持ち出したのか——疲れた中年たちが再会し、町を覆う巨大な物語に巻き込まれていく群像サスペンス。

2026.03.15
10長編
アメリカ南西部の連邦深宇宙通信局で働く通信解析オペレーター、マーラ・リンデンは、失踪から十七年を経た探査船からの異常受信に遭遇する。届くころには遅すぎる言葉と、待つあいだにも変わってしまう人生を描く長編SF。

2026.03.14
11長編
水没後の日本、旧東京湾岸に築かれた巨大都市・灰都。女性義体捜査官の真崎レイは、街の治安を支える都市OSが、死者の記憶を燃やして動いている事実へ触れる。暴動寸前の市街、路上のハッカー、都市そのものの意志が交錯する長編サイバーパンク。

2026.03.14 ・ Series ・ 3話・7章
12連作ミステリ
神保町の裏通りで調査室を営む女探偵・九条玻璃と、出版社の編集者・有坂蒼は、紙と文字に潜む嘘を追う。密室、偽装、盗まれた頁。その背後には、犯罪を設計図のように扱う久世教授の影がある。

2026.03.14
13長編
欲しいと思われることでしか自分を確かめられなかった女が、繰り返しの果てに、自分の輪郭をほんの少しだけ触れてみる話。

2026.03.14
14長編
氷海惑星ネレイダを舞台に、生体資源を巡る帝国の圧政と、海の記憶を守ろうとする若き継嗣たちの愛と戦争を描く長編SF叙事詩。

2026.03.14
15長編
精神療法士・織部千紗は、患者の深層心理に潜入する装置DCミラーの被験者となる。他者の夢に入り込み、心の傷を治療する彼女が、やがて夢と現実の境界を見失い、自らの抑圧された欲望と対峙していく。

2026.03.10
16長編
七年ぶりに港町へ戻った由良が、祖母に託された地図と失踪した蒼汰の痕跡を辿る物語。

2026.03.10
17長編
渋谷のIT企業で働く26歳の凛が、フリーランスのデザイナーとの曖昧な夜を重ねるうちに、欲望と臆病さのあいだで揺れていく。

2026.03.10
18長編
人類存亡の危機に、人形の巨大ロボット――巨神に乗ることを強いられた少年。殺戮と恐怖のなかで、彼は恋に落ち、力に溺れ、自分自身を見失っていく。

2026.03.08
19長編
雪国の温泉街に現れた銀色の円盤と、湊が出会う異質な客人から始まる長編。

2026.02.15
20短編
透明な雨と、思い出せない声をめぐる、静かな幻想譚。
Fragments
作品の内部から引いた短い断面です。独立した断章ではなく、長編や短編の呼吸を先に触るための入口として使います。
From 広告のなかの反省
01わたしがその機能を入れたのは三年前だった。正式名称は長くて覚えていない。みんな単に「広告化」と呼んでいた。 上司に怒鳴られた記憶を掘ろうとすると、頭のなかに爽やかな炭酸飲料のCMが流れる。恋人に振られた場面を思い出しかけると、白い砂浜で犬が駆ける保険会社の映像に切り替わる。
2026.03.21
From 未送信の夜を渡る
02駅前の広場に面したベンチへ腰を下ろすと、石の座面に日中のぬくもりがうっすら残っていた。高架をくぐる風はぬるく、信号待ちの車列からは、雨の乾ききらないアスファルトの匂いがする。三十分前まで降っていた夕立は、舗道の継ぎ目にだけ細い水を残して、街の表面を一度洗ったみたいに見せていた。
2026.03.21
From 未送信の夜を渡る
03遊歩道の先にある歩道橋は、川をまたいで道路の上へゆるく弧を描いていた。夜中でも照明が消えないので、遠くから見ると、街のなかに細い骨が一本、白く浮いているみたいに見える。 真帆は階段を上った。踊り場にたまった雨水が、足音のたびにわずかに揺れる。
2026.03.21
About
雪、夜、記憶、時間のずれを軸に、小説と断章を書いています。